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県警対組織暴力

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今年5月12日に公開される呉を舞台に繰り広げられる「警察✕仁義なき戦い」と
表される「孤狼の血」の原作者である柚月裕子氏は小説を執筆するにあたり
1973年公開の「仁義なき戦い」に感銘を受け影響されたと公言されている

呉の皆さんはよくご存じのように「仁義なき戦い」は実際にあった呉・広島の
ヤクザ抗争を元に実録路線として描かれた不朽の名作だ

しかし今回の孤狼の血はヤクザ抗争も描かれてはいるが
大上刑事率いる警察とヤクザとの攻防が軸になってる作品だ

実はこの「警察VSヤクザ」という構図の作品は1975年東映
「県警対組織暴力」というタイトルで制作・公開しているんですよね
もちろん、柚月裕子氏も同作品も参考にしたと公言されている


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「仁義なき戦い」の大ヒットにより東映は次々と実録路線のヤクザ映画を量産した

その流れを汲む本作での菅原文太さんはヤクザではなく刑事である

西日本の地方都市を舞台に、悪徳刑事とヤクザの友情を通して
警察とヤクザの癒着関係を描き出す

タイトル内の「組織暴力」とはヤクザと、ヤクザと癒着する警察の連合を示す


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「山口組三代目」の三作目が世間からの強い非難を浴びて製作中止となり
「仁義なき戦い」の新シリーズも広島市からのロケ撮影を締め出されるというトラブルが続出した

このため東映はヤクザ路線から警察路線という新シリーズと銘打ち
本作をその初作として広島県警が地元暴力団組織を追いつめていく過程を描いた

警察も組織で組織対組織の血みどろの男の戦いを映画化する

仁義なき戦いは広島・呉市の暴力団組織の抗争を描いたものだが同じ広島を舞台に
同じ深作欣二監督の手で警察当局に追いつめられる組織暴力団の末路を描く

今までは警察当局の撮影への協力が得られなかったが今後は期待できる
早速に広島で現地ロケ8月頃に公開の予定とマスコミに発表し製作に着手した

舞台は「倉島市」という架空の都市の設定だが
「県警」のモデルは広島県警と東映自身が告知していた


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田岡一雄氏の自伝を実名で映画化した1973年「山口組三代目」及び
1974年の「三代目襲名」が大ヒットした

田岡氏を「任侠の徒」として描いたこれらに対して山口組への対策を強化し始めていた
兵庫県警が快く思わず東映本社と後藤浩滋氏(プロデューサー)の自宅が
家宅捜査され岡田茂東映社長(当時)は警察に出頭を命じられた

警察の目的は岡田氏と田岡一雄氏との関係を明らかにして
岡田氏を引きずり下ろすことが狙いだった

高岩淡氏(のち、東映社長)も重要参考人として警察に呼び出され厳しい取り調べを受けた

警察とマスコミにキャンペーンを張られ世間を騒がせた責任を取り
岡田社長は1975年の正月映画に予定していたシリーズ三作目
「山口組三代目 激突篇」の製作を断念した


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これらの、東映とヤクザ映画に対する警察の圧迫を不愉快に思った岡田社長が
便所の中で思いついたのが本作のタイトルである

岡田社長は日下部五朗氏(仁義なき戦いプロデューサー)に
「この題で撮れい、撮ったれい!」と広島弁で息巻いていたいわれる

ちなみに、戦後日本の娯楽産業を創った人物の一人である東映の
岡田茂社長(当時)は広島県東広島市西条のご出身なんですよね

脚本家の笠原和夫氏は岡田氏に呼ばれ「"県警対組織暴力"、いいタイトルだろ? これでやれ」
と指示を受け、「そんなダサい題名で書けるか」と思ったが仕方ないので脚本に着手した

笠原氏は田舎の警察とやくざの戦いみたいなものをやろうと広島に行き取材を開始したが
取材場所は広島しか知らず同地で収集した実話を参考に書き上げたのが本作となる

主演の菅原文太さん、音楽の津島利章氏なども含め、スタッフやキャストの
ほとんどが「仁義なき戦い」シリーズから引き続き参加している


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<あらすじ>

昭和三十八年、西日本の地方都市倉島市では
暴力団大原組と川手組の抗争が続いていた

倉島警察署刑事課の部長刑事である久能徳松(菅原文太)は
暴力団担当のやり手だがヤクザとの癒着も辞さない悪徳刑事であり
大原組の若衆頭である広谷(松方弘樹)とは盟友である

連続する抗争や違法捜査のさ中二人は
川手組の土地買収をかぎつけその計画を叩き潰す

祝杯を上げる二人であったが、川手組との抗争はさらにその激しさを増し
川手組と利害を共有する県上層部は、大原組を潰すために動き出す

倉島署に派遣された県警本部捜査第二課の海田警部補(梅宮辰夫)は
ヤクザと警察官の交際を禁じ、清廉潔白な捜査を久能たちに命令する

海田の強引なやり口に反発するベテラン刑事の吉浦(佐野浅夫)は居場所をなくし
大原組は追い詰められ、久能と広谷の関係にもヒビが入っていく・・・


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本作は警察の末端組織とヤクザとの癒着及び対立、警察組織内の上層部と
末端の対立をテーマに、笠原氏の綿密な構成力と深作欣二監督の迫真の演出力が
存分に発揮され娯楽性と社会的なテーマ性をともに併せ持つ作品となった

笠原氏が「仁義なき戦い」で習得した呉弁・広島弁のセリフ創作術は
この作品によって究極の達成を見たといっても過言ではない

当時広島県警からは制作発表当初より強硬な抗議が届いたそうだ

映画監督の三池崇史氏は「仁義なき戦いとか、県警対組織暴力とか
僕らが子供のころ観た映画って絶対に現代では作れないです」と述べているが
そこにチャレンジしたのが北野武さんであり、白石監督を始め東映なんですよね


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いや~ この作品、昔レンタルビデオで観た記憶はあるのだがよく覚えてなかった

今回、孤狼の血公開に向けて観直してみたが孤狼の血を既に試写会で
観せていただいた僕は古臭さを感じずにはいられなかった

ストーリー的には似たような部分もあるが、やはり本作は昭和邦画の域を出ない
時代は進歩してるから仕方ないとはいえ、孤狼の血の完成度とは雲泥の差がある

しかも個人的には、仁義なき戦いを擦り切れるほど観てるから
登場人物の配役にも超違和感を感じた 笑!

まあ、ご興味のある方は、孤狼の血を観た後にでもご覧になってみて下さいね!

今回の、孤狼の血の制作は
「チャレンジの東映」「東映じゃけん、何をしてもええんじゃ」
精神の復活ですかな~!? 笑! ジャンジャン!!


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