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戦場のメリークリスマス

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先日TUTAYA宅配レンタルで、1983年に公開になった
大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」を観ました

1983年当時、俺たちひょうきん族でタケちゃんマンを演じてたビートたけしさんや
元YMOの坂本龍一さん、デビットボウイが出演し数々の賞を受賞した作品でしたが
驚くなかれ、僕は当作品を初めて観たのでありました 笑!

「オイオイ、あれだけ戦争の事を語るクセに・・・」ってブーイングが聞こえて来そうですが(笑)
1983年5月と言えば僕はまだ19歳であり、ミヤニシでアシスタントをしていた頃で
まだまだヤンチャが抜けず、自分の私生活で戦争をやってた(笑)時代なんです

そんな精神状態の時代ですから戦争映画に、さほど興味もなかったんですよね
そんな僕も今や五十路を超えて自分なりに「戦争」という歴史を考えるようになり
戦場のメリークリスマスを観てみようと思ったのであります


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<あらすじ>

第二次世界大戦下のジャワ山中の日本軍捕虜収容所を舞台に
極限状態におかれた男たちの心の交流を描いた人間ドラマ

大島渚監督が、デヴィッド・ボウイ、ビートたけし
坂本龍一といった異色のキャストで撮り上げた話題作

1942年(昭和17年)のジャワ山中の日本軍捕虜収容所

そこには単純で粗暴な軍曹ハラ(ビートたけし)と
日本語が流暢な英国軍中佐ロレンス(トム・コンデイ)
そして収容所長のヨイノ大尉(坂本龍一)がいた

日本軍俘虜収容所で朝鮮人軍属カネモト(ジョニー大倉)が
オランダ兵を性的な意味で犯す

その事件処理にあたったロレンストとハラは奇妙な友情で結ばれていく
そこへある日、英国軍少佐セリアズ(デビットボウイ)が捕虜として連れてこられた

一方、ヨイノはセリアズを預かることになり
その反抗的な態度に悩まされながらも彼に魅せられてゆく・・・


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僕が思うに、この作品のテーマは文化の違い、異文化交流、戦争の狂気などだと思いますが
戦争映画にしては、当時としては珍しく銃撃戦風景や、軍艦や戦車などの軍事兵器も出て来ない

戦争という現実の中で、人種をや立場を超えた人間の心の描写が描かれている

この視点は、昨年公開されて話題になったアニメ映画「この世界の片隅に」にも
共通している部分があると感じました


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ハラ軍曹はロレンスに
「何故俘虜であるという恥に耐えられる、どうして自決しない」
といった旨の発言をしました

それに対してロレンスは
「俘虜は時の運で恥ではない自分はまだ戦いたいし
最後には勝ちたいだから自決はしない」
という風に返します

これに対してハラ軍曹は
「それは屁理屈であり、死ぬのが怖いだけだ
自分は違う、自分は命を捧げてここに来ている」
と反論しました

こういった部分が文化の違いであり、異文化交流という事ですよね

日本人の文化は戦国の時代から「敵の捕虜になるのは武士にとって最大の恥であり
生き恥を晒すくらいなら自決しないと、末代までの汚名になる」という価値観がある

こんな価値観を持つ人種は世界広しと言え日本人くらいのもんなんでしょうな~


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ある日、抜き打ちで俘虜の荷物検査を行ったさいに
俘虜たちが集まっていた部屋の中からラジオが発見されました

ラジオの責任を取らせるという形でロレンスには体罰を与えられ
さらに翌日、ヨノイ大尉に呼び出されたロレンスは
形式上の手続きが完了し次第処刑すると告げられます

独房に入れられたいたロレンスはその夜
ハラ軍曹の居る部屋まで連行されました

酔っぱらっていたハラ軍曹は、ロレンスに
「ふぁーぜる・くりすますを知っているか」
と尋ねます

ちなみに「ふぁーぜる・くりすます」とは「ファーザー・クリスマス」の事で
サンタクロースの事です

その日がクリスマスだったということで、ハラ軍曹はにやにやとしながら
「今日は自分がそのふぁーぜる・くりすますだ」と言ってロレンスに釈放を言い渡します

つまり、サンタクロースとして彼を助けたのです
ロレンスはハラ軍曹に感謝を告げ、部屋を後にします


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物語の終盤、月日は流れ、戦争は終結。勝利国となった兵士のロレンスと
敗戦国の兵士であり、逆に俘虜となって独房に入れられていた
ハラ軍曹が久々の邂逅をします

ハラ軍曹は敗戦国の兵士として、明朝に処刑されることが決定していました

ハラ軍曹は処刑されることに対して「覚悟は出来ている」と告げるも、
「自分がやった事は他の日本兵と変わらない」と話しました

ロレンスは「貴方は犠牲者だ、かつての貴方やヨノイ大尉のように
自分が正しいと信じている人間の犠牲者なのだ」と言いました

そうして、ハラ軍曹は「あのクリスマスの夜を覚えているか?」と、ロレンスに言います

ロレンスは「憶えています、素敵なクリスマスでした」と、返します

クリスマスの思い出を振り返り、ロレンスはハラ軍曹から去っていきます
そんなロレンスに向かって、泣きそうな笑顔のハラ軍曹が言います
「メリークリスマス!メリークリスマス、ミスターロレンス」

映画はこれで幕を閉じます
ハラ軍曹はロレンスに何が言いたかったのか・・・・


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最後のシーン・・・

確かにジーンと来るものはありましたが、僕は泣けなかった
「永遠のゼロ」を観た時は涙が止まらなかったが、「この世界の片隅に」を観た時は
ジーンと来るものはあったが、泣けなかったのと近い感情だった

そうかと言って、戦場のメリークリスマスや、この世界の片隅にが
永遠のゼロに比べて感動作じゃないと、いう事ではない

感動と言うものは、直に来るものと、後から来るというものがあると思う
戦場のメリークリスマスは、後者だと思いますね! ジャンジャン!!




戦場のメリークリスマス PV 1983 


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