昨今「リターン ライダー」という言葉をよく耳にする
あくまで僕の私見だが我が日本国において第1次バイクブームと言えば
1970年代初頭頃に始まったんじゃないかと思う
1960年代において庶民には高根の花だったオートバイという乗り物が
高度成長期における景気の向上と共に庶民にも手が届く存在になった
それまで欧米の真似ばかりしていた各国産メーカーも本格的に世界をシェアに入れ
日本独自のテクノロジーを持った個性的なマシーンの開発に着手した
その旗頭になったのが世界初の量産4サイクル4気筒750ccというメカニズムを持った
HONDA CB750Kであり、2サイクル3気筒という奇想天外なメカニズムを持つ
KAWASAKI SS500 MACHⅢというマシーンだった
1973年頃になると、それらのビックマシーンも中古市場に出回るようになり
尚且つ後に稀代の名車になるKAWASAKI Z750RS、通称ZⅡもリリースされた
しかし、それらのビックマシーンの普及は思わぬ副産物を生む事になる
1960年代に一部の裕福層がレーサーの真似をして峠を攻めていた「カミナリ族」は
「暴走族」と姿を変えビックマシーンを操り集団で道路交通法無視の走りを行うようになる
暴走族は社会問題となり行政は苦肉の策として1975年には自動二輪免許は
400cc以下に限るという世界でも類を見ない特殊な制度に変更される
しかし暴走族は衰えるどころかますます盛んになり免許制度の上限いっぱいの
ヨンヒャク(400cc)バイクを操り「ツーリング型」だった暴走族は1970年代の終わり頃になると
「パフォーマンス型」へと変化し夜の街中で激しいパフォーマンスを繰り返すようになる
が、その後1980年代になると徐々に暴走族は廃れていき第1次バイクブームは終焉を迎える
バブルと言われる時代の幕開けと共に暴走族に変わって第2次バイクブームに火を付けたのが
レーサーレプリカと言われたマシーンの登場だった
80年代中頃になると日本には再び空前の第2次バイクブームが訪れる
若者はバイクに乗るのが当たり前でロードレース人気は頂点を極め
真夏のバイクの祭典「鈴鹿8時間耐久ロードレース」には15万人もの観客が詰めかけたのだ
各メーカーが毎年驚くほどの数のニューモデルを投入
特にホンダとヤマハのリリースラッシュは凄まじく後に「HY戦争」と呼ばれたほどである
母数が大きく底辺が広ければその頂点は高くなる
世に出た車種が多い分80年代に生まれたバイクにも
今でも高い支持を得ている名車が数多く存在している
当時は基本性能もかなり高くなってきており現代でも通用する高性能マシンも少なくない
ロードレーサーを気取ったライダーたちはレーサーレプリカのマシーンに乗り
各地の峠を攻めタイムアタックや街道レースを繰り広げた
その結果、事故が多発し命を落とす者や取り返しのつかない怪我をする者が続出し
社会問題へと発展するようになる
しかしやがて90年代に入るとバブルの崩壊と共に第2次バイクブームも泡のように終焉を迎えた
で、現在であるが、昨今日本は第3次バイクブームと言われている
しかし第1次バイクブーム、第2次バイクブームと比較して決定的な違いは
当時はあくまで若者がバイクブームを牽引したが第3次バイクブームの現在は所謂
第一次、第二次ブームを経験した現在中年と言われる世代が中心になってるという事だ
その世代がバイクに熱くなった昔を思い出し、ある者は子育てを終え、またある者は社会的に成功し
金に糸目を付けず「大人買い」をし始めたのだ
それらを称して「リターン ライダー」と呼ぶんですよね
それに付随するように「遅咲きデビュー」を果たす者も後を絶たない
これはアメリカの圧力に屈した日本の行政が(笑)1996年9月に免許制度を改正し
「公認自動車教習所」で大型二輪免許の教習を受けられるようになった事も大きな理由の一つだ
遅咲きライダーが初めて所有するバイクが数百万もするハーレーだという話もよく耳にしますからな~
まあバイクブームになる事は僕のようなEven all the agesライダーにとっては嬉しい事でもあるが
反面、人気旧車の相場が天井知らずで高騰するという現象を引き起こしている事には参ります 笑!
それと、よく言われるのがリターン ライダーや遅咲きライダーは事故を起す確率が高いという事だ
「昔取った杵柄」とばかりに大型バイクをナメたら痛い目に遭う
歳取って暴走族や峠族のような乗り方はしないでしょうが
反射神経も衰えてるし老眼にもなっていますからな~ 笑!
リターン&遅咲きライダーの皆さん、十分注意してくださいよ!! 笑!
と、長い前置きになりましたが(笑)先日6月29日に約30年ぶりにバイクに乗り
すっかりハマってしまったリターン ライダーの後輩グッチ
思い立ったら即行動のグッチは翌日には自動車学校の入校手続きを済ませ
何と30年ぶりにバイクに乗った3週間後には
念願だったカフェレーサーのドカのベベル900SSを手に入れた
いや~ まさに疾風の如しですぞ! 笑!
ドカのベベルなんて、そうそう右から左へ溢れてるような車種じゃない
しかも素性のわからないバイクを衝動買いするのは危険です
買ったはいいが、乗り始めると修理代が車両代ほどかかったって事もよく聞く話だ
しかしグッチが買ったベベルは、その世界では知らない人はいないと言われる
広島市にあるベベル専門店「イモト」が手掛けた血統書付きの車両です
通常イモトはレストアや修理が主な業務であり店頭販売はほとんどないショップなんですが
たまたま運が良い事に高齢化してバイクを下りる人からのイモト出の払い下げ車両に巡り合った
イモト常連の尾崎さんが社長にグッチの話を持って行ったタイミングがバッチリ合ったという事です
旧車との巡りあわせは「縁」と言いますが、ホントに縁があったという事でしょうな~
と、言う事で現在グッチは嬉しさのあまりベベルを抱いて寝てるそうですぞ! 爆!
まあその気持ちは僕にはよく分かる
てか、「思い立ったら即行動」「考えるな感じろ」「案ずるより産むが易し」・・・
等と言う言葉に強く共感する僕はグッチの今回の一連の行動力は素晴らしいと思う
ま、僕はその精神でこれまでやってきたから
大明神様にキツク灸を据えられ続けたとも言えるんですがね 笑!
いや~ これからバイクに乗る機会が暫らくは増えそうですな~!
でも季節が季節だから真昼間はなるべく勘弁してよね!笑! ジャンジャン!