3月25日月曜日 天気 曇り 中潮
当初の予定では当日は鉄馬に乗ろうと思ってた某(それがし)だが
先週の月曜日の祝日に予定していた家族サービスが正室の都合で予定倒れになり
急遽鉄馬に乗る事になったので今週は戦場に様子見に行く事にした
現在安芸の国周辺では桜もボチボチ咲き始めたが戦(釣り)の世界では「桜鯛」という言葉がある
産卵を控えた真鯛家の武士たちが浅場に回遊してくる時期を指しての言葉でござる
思い返せば某がチヌ家との戦の他に真鯛家を狙っての戦を本格的に始めたのは昨年の巳月(6月)の事だった
通常呉の真鯛家の乗っ込みはチヌ家同様卯月(4月)中旬頃から始まり辰月(5月)に盛期を迎えるらしい
と、いう事で真鯛家に戦を仕掛けるには少々早いとも思われたのでござるが・・・
真鯛家の武士をフカセで討ち取るには兎にも角にも一番大事なのは潮の流れでござる
船での海戦なら潮の流れによって本陣を動かす事も出来るが陸の戦いでは本陣を動かす事が出来ない
だから本陣から沖に出る少々早めの潮が出ないと戦にはならないのでござる
真鯛家は基本的にチヌ家のように浅場に陣を敷いてはいない
撒き餌を深場にいる真鯛家の本陣に届けるにも沖に出る潮というのが絶対条件なのだ
当日某が戦場に到着したのはまだ夜も明けぬ辰の刻半(5時半)でござった
当日の潮は下りの中潮で干潮が巳の刻(6時)という事だった
暗がりの中街灯の灯を頼りに仕掛けを作る某
朝マズメを迎え満ち潮が流れ出した時本命潮が出たが早瀬は水道という事で潮流が安定し難いのだ
某の経験ではこの地は本命潮が流れても長くても1時間程しか続かないのだ
この潮を逃すと負け戦になる確率が高くなるから気合を入れて手返しを繰り返す某
道糸を張りながら潮に乗せたウキを沈めながら撒き餌と同調させ流す某
暫らくすると当日第一発目のアタリが道糸から伝わり合わせを入れる、乗った!
手応えからして小物である事はわかるが首を振っているので鯛一族である事は確かだ
ーさあ、赤か?黒か?
海面に姿を現したのはソメイヨシノのように桜色に色づく真鯛家の若武者だった
ー小物じゃが幸先ええど・・・
幸先いいスタートを切った某だったがなかなか後が続かない
そうこうしてたら潮が緩んできた
潮が緩むと間違いなく潮流の方向が変わる、急げ、急ぐんだ! 笑!
しかし某に討ち掛かって来たのは外道のブダイ家の豪族だった
ブダイは召し取ってもカラスの餌にしかならない
と、いう事で無駄な殺生をしない某は即放流してやった
某が危惧した通り本命潮は長くは続かなかった、その後潮は左へと流れを変えた
ー う~ん この潮はメバル家が出る潮なんじゃが・・・
案の定小型のメバルが1尾出たが次に出たアタリは少々手応えがあった
ー 首振っとる、鯛一族という事は間違いないが潮の流れからしておそらく”黒”じゃろうのぉ~・・・
案の定水面に姿を見せたのはチヌ家の武将でござった
それが写真トップのチヌ家の武将だ
検寸するとジャスト40cm
チヌ家も乗っ込み期が間近という事で腹がだいぶ膨らんでいた
ちょうどその時顔見知りのタコ壺漁師さんがタコ壺を上げに来た
「オ~イ 釣れるか?」
「鯛は小まいのが1匹・・・ 今釣れたチヌいります?」
「おっ、くれるんか? ほなら貰おうか!」
「どうぞどうぞ!」
「タコが入っとったらやるんじゃがタコはボウズじゃ、これがホンマのタコ坊主で!」 爆!
と、イカシたオヤジギャグを飛ばして漁師さんは帰って行った 笑!
その後35cmのチヌ家の武士を討ち取った某
放流しようかと思ったが1時間前くらいに投げ釣りに来たオジサンに声を掛ける
「釣れます?」
「いや~ 1回アタリがあったが逃げられてしもうた・・・」
「オジサン、よかったらチヌあげましょうか?」
「ん? アンタはチヌ食べんのか・・・?」
投げ釣りのオジサンは嬉しそうにチヌを袋に入れた
「これで今晩一杯やれるわい!」 笑!
と、いう事で昼になり下げ潮になったので当日の戦はあえなく終了
撤収じゃ!陣払いじゃ!!
当日の尾崎家へのお土産
真鯛1、アイナメ2、メバル1
さてさて、真鯛家もチヌ家も乗っ込み本番は4月に入って5月いっぱいくらいだと思われるでござる
どちらも自己記録更新といきたいが球打ちも鉄馬もシーズンでござる
ま、潮を見て予定を決めたいと思いまする! 笑! ジャンジャン!!