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CAROOLS 70’s (14) I LOVE YOU , OK

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さて、僕が若い頃に擦り切れるほど聴いた、CAROLとCOOLSが1970年代に
リリースしたアルバムを深く掘り下げるシリーズCAROOLS 70’

CAROL編としては前回の「燃えつきるーキャロル・ラスト・ライブ」で終了となったので
今後は矢沢永吉・ジョニー大倉両者のソロアルバムを順次取り上げたいと思います

と、いう事で今回は1975年(昭和50年)9月にリリースされた
矢沢永吉さんのソロデビューアルバム「I LOVE YOU , OK」をお届けしたいと思います


I LOVE YOU , OK 矢沢永吉 1975・9・21 CBSソニー

<SIDE-A>
1・セクシーキャット 2・ウイスキーコーク 3・キャロル
4・雨のハイウェイ 5・キザな野郎 6・ライフ イズ ヴェイン

<SIDE-B>
1・恋の列車はリバプール発 2・安物の時計 3・夏のフォトグラフ
4・奴はデビル 5・サブウェイ特急 6・I LOVE YOU , OK


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「もう1年やったら蔵が建つ」

キャロルというバンドでまだまだ稼げると確信を持っていた永ちゃんは
キャロル解散を望むジョニー大倉他メンバーをこう説得するが
ワンマンになり過ぎた永ちゃんについて行けなくなったメンバーは継続を拒否

もはや解散は免れないと悟った永ちゃんはソロになる決意を固める

解散が決定的になった頃永ちゃんはソロ活動を行う際にフォノグラムとの間に
起こり得る問題を未然に防ぐため、単身CBSソニーに行き幹部と面会して
自らのソロ活動を担保とした金銭面・ビジネス面の話をまとめている

1975年4月13日、雨の日比谷野音で行われたキャロルのラストコンサートを
終えた永ちゃんは単身渡米してソロアルバムの制作に取り掛かる

レコーディングはハリウッドのA&Mスタジオで行われ
プロデュースはトム・マック、アレンジはマイク・メルボイン

ラインナップは全12曲で作詞は相沢行夫7曲、西岡恭蔵3曲
松本隆2曲で、作曲は全て永ちゃんが行っている


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そうして出来上がったアルバムは、シングルカットされた「I LOVE YOU , OK」と
同タイトルの「I LOVE YOU , OK」だった

革の上下で黒尽くめだったキャロル時代とうって変わって
I LOVE YOU , OKのアルバムジャケットの永ちゃんは
チェックのジャケットにジーンズというカジュアルな出で立ちだった

アルバムジャケットの撮影は渋谷のセンター街で行われたそうで
使用されたカットはゲームセンター「ゲームファンタジア」の前で撮影された

永ちゃんが乘ってる車は当時の永ちゃんの愛車リンカーン・コンチネンタルだ


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相沢行夫さんは、永ちゃんがキャロル結成前に組んでいたバンド
「YAMATO」のメンバーだった木原敏雄さんと友人だった

後に彼らは「NOBODY」としてバンド活動を共にするようになるのだが
そんな縁もあって永ちゃんは相沢さんに作詞を依頼した

CBSソニーに移籍後、キャロル関係の人間から離れ一切のスタッフを総入れ替えし
制作費はキャロルで得た印税全て注ぎ込み「I LOVE YOU , OK」は完成した




奴はデビル/矢沢永吉 1975 
作詞・西岡恭蔵 作曲・矢沢永吉

奴はデビル みんな知ってる
野郎なしじゃ生きられねえ 
ベイビー・フェイスの悪魔

ディスコの掟知らぬ田舎っぺ 
ウインクされりゃいちころさ 
ベッドでやってお寝んね

めしも喰わず夜も昼もずっと田舎っぺ
もうはなさない 三日たてば奴も言うさ青い顔して
死ぬよベイビー I'm (down…) Ah

奴はデビル愛の訳など 知っちゃいないさ 
野郎ならば誰でもいいさベイビー・フェイス


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僕は音楽評論家でもないし音楽のプロでもないから、あくまで私見という事になるが
僕はこのソロデビューアルバム「I LOVE YOU , OK」からセカンドアルバム「A・DAY」
サードアルバム「ドアを開けろ」までの3作品で一つの形を成してると感じる

この3つのアルバムに収録されてる曲の多くがキャロルデビュー前や
キャロル時代に既に永ちゃんによって作曲されていた曲だからそう感じるのかも知れない

キャロル時代の最後のスタジオ録音アルバムになった「キャロルファースト」は
各メンバーがそれぞれ曲を持ち寄ったアルバムという事で
ある意味キャロルらしくないとも言える

そのキャロルファースト以上にキャロルの世界観を感じるのが
永ちゃんのソロデビューからの3つのアルバムだと思う

まあ、作詞がジョニーじゃないから詞の世界観はビミョーに違うと思いますがね


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こうして出来上がった永ちゃんのソロデビューアルバム「I LOVE YOU , OK」だが
実はリリース直後は予想より全然アルバムのセールスが伸びなかった

キャロルファンにしてみれば、キャロル時代に永ちゃんに抱いていた
バリバリのロックンロールというイメージとかけ離れたように感じ戸惑ったのだ

この後、永ちゃんは「演歌ロック」とも言われたように大人のロックやバラードに傾倒していく
永ちゃんにしてみればキャロルのイメージからの脱却を図るつもりだったが
キャロルファンはすぐには、その事を受け入れられなかったという事だろう




恋の列車はリバプール発/矢沢永吉 1975 
作詞・相沢行夫 作曲・矢沢永吉

切符はいらない 不思議な列車で いじけた街を 出ようぜ俺と
つっぱり ジョンも 気どり屋 ポールも 待ってる はずだよ 行こうぜ 急げ

恋の列車は リバプール発 夢のレールは 二人で書いて行こう
リッケン・バッカー 抱いて歌えば さびしい野郎も つられて歌うぜ

恋の列車は リバプール発 夢のレールは 二人で書いて行こう
しらけた奴らが 追いかけたって 特急列車は つかまりゃしないぜ


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1975年9月27日から全国ツアー「E・YAZAWA AROUND JAPAN」がスタート
年が明けた1976年1月8日にはソロとして初の東京公演である
中野サンプラザでのコンサートが行われた

キャロルを否定するような曲構成にファーストツアーでの評判は散々で
キャロルの矢沢を期待するファンが一気に離れた

キャロル時代はリーゼントに革ジャンでベースギターを弾きながら
ケツを振り振りロックンロールをやってた永ちゃんは髪を下ろしラメの衣装を着ていた

極端に不入りだった佐世保公演でのエピソードは「リメンバー・佐世保」として
語り草のように今でも永ちゃんの口からよく語られる




I LOVE YOU , OK/矢沢永吉 1975 
作詞・相沢行夫 作曲・矢沢永吉

I love you,OK この世界に たった一人のおまえに 俺の愛のすべてを捧げる
抱きしめればせつなくなる 俺のこの腕でいつも幸せにしたい

I love you,OK 振り返れば 長くつらい道も お前だけをささえに歩いた
窓辺にともる灯りのように 俺のこの胸にいつもお前が燃えてる

求め合って生きていたい この世界のすべてが闇に消えても
I love you,OK 見つめ合えば ただそれだけで解る 誓い合った言葉は I love you


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今では「I LOVE YOU , OK」は永ちゃんの代表曲という事に
異論を挟む人はいないと思います

その他の曲で言うとシングル「I LOVE YOU , OK」のカップリングになってる
B面の「セクシーキャット」や「ウイスキーコーク」「サブウェイ特急」は
キャロルの矢沢の進化系とも言える名曲だと思う

「ライフ・イズ・ヴェイン」はバイク事故で17歳で亡くなった
親友を思い出す曲で個人的な思い入れも深い

「キャロル」は決して解散を望まなかった永ちゃんの心情を歌った
心に沁みる名曲だと思う

アルバム「I LOVE YOU , OK」は日本のロックンロール史上において
新しいジャンルを確立した最高のアルバムだと思いますね!
ジャンジャン!!


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