「今頃?」って言われそうですが(笑)2013年下半期の
NHK朝ドラで放送された「ごちそうさん」を観ました
例の如くTUTAYAの宅配レンタルで全巻一気に観たのです
この世に生まれて54年の歳月が流れた僕ですがNHKの朝ドラを観るのは
同年の上半期に放送された「あまちゃん」に続いて2作品目でした
「あまちゃん」を観た時にも思ったのですがNHKの朝ドラは見始めた段階では「ん?」と
思うのですが見続けていると面白くなってハマるんですよね
今回の「ごちそうさん」もそんな感じでしたね~
どんな困難にぶち当たっても絶望の淵に立たされても
ごはんを食べていれば何とかなる!
大正モダン華やかなりし東京
食いしん坊の東京娘・卯野め以子が、へんくつな大阪男・西門悠太郎に恋をし
「食い倒れの街」大阪に嫁ぐことに・・・
食べることへの情熱は誰にも負けないめ以子が様々な困難に逢いながらも
悠太郎への愛を貫き、たくましい「大阪の母」として激動の大正・昭和を力強く生き抜いていく・・・
<私感>
昨今「ポツダム少尉」や「重責を果たして」などの軍事図書を読んだ経緯もあって
それらの本を読むきっかけになった明治生まれの祖父母が過ごしたであろう
大正時代から戦後の生活が重なって見えて感情移入してしまった
NHKの大河ドラマではそうそう泣ける事もないが(笑)
祖父母の事を思い廻る視点で見ると切なくなりましたね~
卯野め以子は両親が切り盛りする洋食屋でおいしいものを目一杯食べて育った
あまりの食いしん坊ぶりに、下宿人の大学生・西門悠太郎にもあきられる始末
あまりの食いしん坊ぶりに、下宿人の大学生・西門悠太郎にもあきられる始末
しかしやがて彼は、「食べたい」だけでなく「食べさせたい」という
め以子のもう一つの情熱に圧倒されることに・・・
め以子も、彼のへんくつさの裏に「安全で住みやすい街を作りたい」という
真っ直ぐな思いがあることを知る
故郷の大阪で新たな街づくりにかけたいと言う悠太郎に、め以子は
「あなたを一生食べさせます!だから、私を一生食べさせてください」
とめちゃくちゃなプロポーズをし、紆余曲折の末、女房となる
<私感>
杏さん演じる卯野め以子は東京の洋食屋の娘という役柄だが僕が聞いた話では
め以子と同世代であろうと思われる明治31年生まれの祖母は
尾道に生まれた農家の娘だったらしい
それに対して明治26年生まれの祖父は岡山県笠岡市に生まれ
まあまあの家柄で「琴」を売っていたとか、作っていた家だったと聞いた事がある
そんな二人がどうやって知り合ったのかは聞いた事がないが
二人は祖父方の両親に反対され駆け落ちしたらしい
嫁ぎ先の西門家は、純和風の旧家
東京と大阪の味の違いや、大阪の家庭料理に通じる「始末」の精神から、め以子の
ハイカラ洋風料理は「高うておいしいもんならアホでもできる」と家族中に拒否される
さらに、嫁ぎ先は、浪費家の姑、離婚経験のある小姑、得体のしれない舅
自閉症ぎみの妹など一筋縄ではいかない人間ばかりで、騒動の種は尽きない
<私感>
いや~ め以子の嫁ぎ先の小姑の和枝を演じたキムラ緑子さん
初めて知った女優さんでしたが凄い演技力でしたね~
嫁をいびる小姑の鏡(笑)みたいな演技に感服しました
現代では結婚しても新居を構えて旦那さんの家に同居する人も少ないと思うが
あの時代は長男が家の後を継ぎ嫁は旦那さんの家に入る事が当たり前だった時代
嫁は家風に馴染むための苦労が絶えなかったでしょうな~
「夫を幸せにするためには彼の家族をも幸せにしなくては」
と思い定めため以子は、その食い気を元手に大阪の食材を無心で学び、「始末」の料理を会得
ばらばらな家族の心をまごころ込めた料理でときほぐしていく
そんな中、義理の姉め以子に心を開いていく悠太郎の妹の典子の粋な計らいで
悠太郎と、め以子は晴れて祝言を挙げる事が出来た
<私感>
ウチの祖父と祖母は入籍は大正9年になっているが駆け落ちしたという事だから
僕が思うに、たぶん祝言は挙げてないように思う
戦死した長男の叔父さんの出生が大正7年になっている事から
駆け落ちして子供が出来てから後に婚姻届けを出したんだろうな~
食べることへの情熱は誰にも負けないめ以子が、様々な困難に遭いながらも
まごころこめた料理で、ばらばらな家族の心をときほぐし「大阪の母」として
激動の時代を力強く生き抜いていく
三児の母となっため以子は、戦時中の厳しい食糧事情の中でも
「おいしいものを食べさせたい」という信念を貫き
周囲から「ごちそうさん」と呼ばれるようになる
<私感>
親と同居していなかった祖父母だが7人の子宝に恵まれたという事で
食卓はいつも賑やかだったんだと思う
長男の叔父さんは大正7年生まれで6番目の末妹だった母は
昭和9年生まれという事で17の歳の差がある
母が物心付くか、付かない頃に長男の叔父さんは陸軍に志願している
母は幼い頃、身体が病弱だった次男の叔父さんによく勉強を教えてもらってたそうだ
その次男の叔父さんは20代にして病死している
め以子の次男は母親に似て料理好きだったが親の反対を押し切って海軍に志願した
軍で料理を振舞う調理師になる夢を叶えたいという思いだったのだが・・・
<私論>
祖父母は長男の叔父さんが大日本帝国陸軍に志願した時どんな気持ちだったんだろう?
祖父は大日本帝国海軍の呉工廠に従事していた人だったから
長男が軍人を志願した事を喜んだんだろうか?
それとも・・・
更には、夫である悠太郎が軍の意に背いたとして逮捕された
め以子達の尽力で釈放されるが、陸軍の軍属として
満州へ渡る処分が下り家族と別れ旅立って行く
残された、め以子は夫や息子の安否を気にする毎日を過ごすようになるが
残された家族や多くの仲間に励まされながら懸命に生きていく
そんなある日、次男の活男の戦死の知らせが届く
傷心にくれるめ以子は、和枝から叱責されると同時に独りに慣れた方がよいと説教される
その言葉に従い独り食事をし畑仕事に打ち込む日々を送っため以子
やがて8月になり日本は終戦を迎える
<私感>
陸軍に志願した伯父は太平洋戦争開戦前の支那事変において
昭和15年、遠い中華民国広西省で戦病死している
伯父の死亡告知書が届いた日の事を母は今でも覚えている
読み書きが十分に出来なかった祖母は幼い母を伴い届いた告知書を持って
近所の大学の先生の家に読んでもらいに行ったそうだ
伯父の「死」を知った祖母は眉一つ動かさず その足で祖父が従事してる
広工廠に死亡告知書を持って報告に行ったそうだ
我が子の死に動揺しない親なんていないと思う
気丈に振舞った祖母の胸中を思うと・・・
め以子は一人大阪に残り復員列車の到着を待つ
駅前でカレーを売りながら悠太郎を探すが待ちぼうけに終わり
落胆して帰路につくめ以子の目の前に突然一頭の仔豚が飛び出す
それに続いて「捕まえてください」と叫ぶ声が響き、悠太郎が現れる
彼は三日前に帰国しており復員列車とは別に帰阪していたのであった
悠太郎とともに帰宅しため以子は笑顔で悠太郎と語らいながらチョコレートを分け合う
万感の思いで「ごちそうさん」と、め以子は呟いた・・・
<私感>
海軍に従事した祖父だったが、祖父は出撃する事なく50歳半ばで終戦を迎えた
祖父母はどんな思いで玉音放送を聞いたのだろうか?
もし今、祖父母が生きていたら聞いてみたい
「あなたたちは戦争をどう思ってたんですか?」
二人は何と答えるのだろうか・・・いや、答えてくれるのだろうか・・・
ジャンジャン!!