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関ジャム 完全燃SHOW ユーミン特集

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ウチにあるBlu-rayレコーダーの録画リストを開くと「関ジャニ」ばかり出て来る
何の事はない、愛娘が関ジャニの大ファンだからという事だ

50代も半ばになったオッサンの僕はもちろんジャニタレには一切興味がない
しかし唯一日曜日の深夜に放送されている「関ジャム 完全燃SHOW」という
番組は娘が録画した物を暇を見つけては毎週見ている

関ジャム 完全燃SHOWは関ジャニ∞の冠番組な音楽バラエティ番組で
関ジャニが毎回様々なアーティストをゲストに迎え一夜限りの
ジャムセッションやトークを繰り広げる番組だ

色んなジャンルのアーティストや楽曲、更には楽器など
多種多様な音楽に関するテーマを取り上げ
その道のエキスパートをゲストに招き深く掘り下げるという内容だ

ジャニーズには興味はないが僕は音楽には興味があるので
マニアックな話は興味津々で、なかなか面白い


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先日の10月21日の放送は
「名曲から解き明かす! 松任谷由実と3つの時代を大特集!」
ということで、じっくり、ユーミンの凄さについて語り検証する回だった

その二日前の金曜日に広島サンプラザで開催されたユーミンのコンサート
「TIME MACHINE TOUR」を観たばかりの僕はタイムリーだった


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以前この番組でユーミン特集を切望していたJUN SKY WALKER(S)の
ベーシストで音楽プロデューサーとしても名高い寺岡呼人

ユーミンのライブなどで20年コーラスを担当している今井マサキの二人を迎え
多角的にユーミンの楽曲が考察された


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もちろん今回のツアーも今井氏はコーラス・ギターで参加している

ユーミン特集の収録にあたり寺岡は打ち合わせの前日に20ページにもわたる
資料を徹夜で作ってきたという熱の入れよう

一方、今井マサキはこの日のために、ユーミン本人にいろいろ質問をして
それに答えてもらってきたと言うから、ますます期待は高まる

時代を70年代、80年代、90年代以降に分け
荒井由実、松任谷由実の凄さが検証された

この回はリスナーだけでなく実際に日本のポップミュージックに携わる
ソングライターやシンガーにとっても改めて「歌い継がれていく歌」とは
どんなものなのかを考えさせられる興味深い放送になった


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まず70年代、僕が好きな荒井由実時代

フォークソング全盛の時代にあって荒井由実の登場が
どれほど画期的で異質なものだったかが語られた

16歳で作った“ひこうき雲”(73年)が45年という
年月を経過した今もまるで色褪せていないこと

そのマジックの理由のひとつに
寺岡はこの楽曲のコード進行の魅力を挙げた

1960年代から1970年代に活動したイギリスのロックバンド
プロコル・ハルムの大ヒット曲「青い影」の影響について言及し寺岡は
歌い出しから徐々に下がっていくコード感をピックアップして詳しく解説

あの時空を超えて語りかけてくるような儚い憂いのような
メロディの秘密に触れられたような気がした




海を見ていた午後 / 荒井由実 1974
作詞・作曲 荒井由実

あなたを思い出す この店に来るたび
坂を上(のぼ)ってきょうも ひとり来てしまった

山手のドルフィンは 静かなレストラン
晴れた午後には 遠く三浦岬もみえる
 
ソーダ水の中を 貨物船がとおる
小さなアワも 恋のように消えていった

あのとき目の前で 思い切り泣けたら
今頃二人ここで うみを見ていたはず

窓にほほをよせて カモメを追いかける
そんなあなたが 今も見える テーブルごしに

紙ナプキンには インクがにじむから
忘れないでって やっと書いた 遠いあの日

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“海を見ていた午後”(74年)の解説には、寺岡も今井もさらに熱が入る

「分数コード」をキーワードに挙げ、同じくコード感について
解説したのも興味深かったが、何より「歌詞」である

それは「発明」でもあると《山手のドルフィン》や《三浦岬》といった地名や固有名詞を
入れ込む作詞について今井は「実際にあるのは『根岸のドルフィン』だしレストランからは
『三浦岬ではなく房総半島』が見えた」という裏話を明かした

「でもユーミンは、そこでリアルではなく歌としての響きを選んだ」として
それこそが、ユーミンの歌の世界に特有の「リアルファンタジー」であると
解くくだりには、大いに膝を打った


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「80年代はユーミンの天下」と番組支配人の古田新太が言葉にした通り
この年代のユーミンは時代そのものを映し出す鏡というよりも
時代の先を映し出して大衆を導いていったようなイメージがある

サーフ天国、スキー天国(80年)、守ってあげたい(81年)
シンデレラ・エクスプレス(85年)

そして、もはやこの曲抜きに日本のクリスマスは語れないほど
不朽の名曲となった、恋人がサンタクロース(80年)
 
寺岡が「その後のバブル時代に流行するスポーツやレジャーの
楽曲を80年代初頭に生み出していた」という、その先見の明の凄さは
きっと90年代以降に生まれた若い世代にとっては新たな気づきとなったのではないか

80年はまだ、クリスマスに恋人と過ごすことは当たり前のことではなかったのだ
歌が時代を作ったという言い方をしてもいいかもしれない

それほどユーミンの描くポップミュージックが広く人々の心に浸透し
その行動にまで影響を与えたのだ


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90年代以降のユーミンは完璧な世界観を構築する圧倒的なステージングで
総合芸術的なアプローチを採るアーティストの先駆けとして君臨していくことになる

改めて思えば、真夏の夜の夢(93年)や輪舞曲(ロンド)(95年)などは
はじめからステージでの演出までを思い描いて制作したのではないかと思うほど
視覚的なイメージを刺激する楽曲である

そして90年代から、多くの優れたミュージシャンがそうであるように
過去の名曲たちが再び・・・というより、もう何度も評価され世代を超えて
歌い継がれていくという揺るぎないサイクルに入った


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今井が最後にユーミンからのメッセージとして語ったのは
「自分の歌が『詠み人知らず』になるまで歌い継がれてほしい」
という言葉だった

作者不明だけれど曲だけは愛され続け伝承されていく・・・
そうなることが本望なのだと、そんな思いで楽曲を作り続けてきたのだと
ユーミンの思いを受け取ったような気がした

シンガーソングライターとしての究極の言葉に胸が熱くなる
松任谷由実という「自分」ではなく、「歌」を遺したい・・・

「自分の曲」ではなく、その曲を聴く一人一人のための歌でありたい
ユーミンのポップソングの哲学とは、つまりそういうことなのではないかと思う

音楽的才能、作曲センス、時代を読む目
そういう視点で見ても確かにユーミンは図抜けている

けれどそれだけでは、ここまで、何年、何十年と
時代を経てまで人の心を掴む歌は作れない

そんなことをつくづく考えさせられた放送だった


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ジャムセッションのコーナーでは寺岡、今井、関ジャニの
錦戸亮(Vo, G)、安田章大(G, Cho)、大倉忠義(Dr)の計5人で
錦戸が選曲した松任谷由実「春よ、来い」が披露された
「春よ、来い」は、この二日前にユーミンもステージで歌った

いや~ やっぱりユーミンは凄いし本当に音楽っていいですね~!

と、いう事ですが今夜の関ジャムはクラシックから清塚信也
世界中で数多くのアーティストと共演する世界のジャズピアニスト山中千尋

スタジオミュージシャンとして多くのアーティストを支えるポップスピアニスト
紺野紗衣の各ジャンルの一流ピアニスト3名が集結

ピアニストはジャンルによってこんなにも違う
その驚きの違いに迫るという事です、楽しみですね! 

ジャンジャン!!


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