1975年(昭和50年)に週刊漫画アクションで連載が開始されると同時に
大人気になった、どおくまん作の漫画「嗚呼 花の応援団」
当時の非行少年のヤンキーではなく、バンカラなスタイルの漫画だったが
ギャグ漫画という形を取りつつも、応援団という組織の本質をなかなか忠実に表現しており
応援団が着る、長ラン、ボンタンという学ランも注目され人気になった
1976年(昭和51年)には実写化されて映画にもなった
監督はロマンポルノを始め数々のヒット作を世に送り出したが
突如映画界から姿を消し、死亡説が出るなど行方不明になってた曽根中生監督
当時田舎の、まだ真面目な中学1年生だった僕も映画を観に行った
と、いう事で43年ぶりに当作品を観てみたのだが・・・
<あらすじ>
南河内大学応援団親衛隊に新たに加わった富山と北口の二人は
事もあろうに応援団の命とも言うべき大団旗をタバコの火で焦がして穴を開けてしまった
<寸評>
左が北口、右が富山、真ん中が同じく1回生の村上
いや~ 北口も富山も原作のキャラクターに容姿も
僕が抱いてたイメージによく似てる
幹部からのリンチを恐れた二人は、3回生の親衛隊長である青田赤道をハメて
青田のタバコによる不始末にして責任転換する
喧嘩にはめっぽう強いが女にはまるっきりだらしがない親衛隊隊長の青田赤道
青田赤道は、責任をとって腹を切らなくてはならなくなったが
責任回避の一計を案じた
現在紛争中の浪華大応援団を相手に大乱闘を引き起こし
その乱闘で破れたことにしたのだった
<寸評>
青田赤道を演じるのは一般公募で選ばれた「今井均」
強面でハチャメチャな青田だが実は「弱きを助け、強きを挫く」で
意外と後輩思いで、人情家の一面もある
個人的にはイメージはよく似てるが青田にしては背が低い
キレイなネーちゃんにめっぽう弱い青田だが婦人警官とデキてたりする
草村でアオカンするシーンがあるが遠目に婦人警官の乳房があらわになる
当時思春期に入ったばかりの僕らは、そのシーンだけでも十分興奮した(笑)
南河内大学応援団本部団長・木村、副団長・下村、
統制部長・小川、リーダー長・柏原の四バカ幹部
原作では、木村、下村、小川の三バカ幹部だが映画では四人
理不尽な要求で下級生を困らせ、シゴキと称して暴力をふるう四バカ幹部
<寸評>
吊りメガネをかけてる団長の木村はイメージぴったり
下村は原作ではハゲではなかったがキャラのイメージは近い
小川は、原作にはいない柏原とキャラがカブって影が薄い
いつも弱い南河大野球部が珍らしく大会で決勝まで勝ち進んだために
応援団としては本職の応援をしなければならなくなった
だが、試合中の旗手を勤める親衛隊長の青田がやくざとの喧嘩で
停学中のため、富山が大団旗を持つことになった
その頃、青田は初恋の相手でもあり、中学生の時に童貞を捧げた
赤道の父親、玄道の妾、新子(宮下順子)との純愛に悩む
<寸評>
何せ原作の漫画を含め、43年も前に観た映画ですから忘れてる事も多いが
確かこのエピソードは原作にはなかったと思うのだが・・・
ヤクザに絡まれてる初江(水原ゆう紀)を助け、淡い恋心が芽生える富山だが
実は初枝はヤクザに騙されて借金を負い売春婦として働いてる幸薄い娘だった
<寸評>
切ない恋の顛末を迎える富山だが、お下劣ギャグと人情話のバランスが
絶妙だった原作漫画を再現しようとした気配がうかがえ好感がもてる
特に、初江が客に体を売りながら涙で聞く富山の応援コールは
原作漫画のエッセンスを巧く活かした印象深いラストだった
毎年、南河大陸上部が出場する駅伝は、各中継地点で大団旗を掲揚して
自校のランナーを応援するために、応援団はトラックに大団旗を運んでランナーより
先行するのだが、幹部連中は青田を困らせようとトラックを使えなくしてしまった
そこで、青田以下親衛隊は、大団旗と太鼓をかかえて、走り出す
<寸評>
応援団の激励に訪れたOBの剛田
幹部の事はナメてる青田が唯一、頭が上がらない人物
剛田を演じるのは元関取の竜虎さん
原作漫画での剛田のキメセリフの「団のめんぼく丸つぶれ」
が聞けなかったのが残念だった(笑)
南河内大学陸上部は最下位だったが剛田の命令で青田はアンカーの走者と入れ替わり
ごぼう抜きして最終的にトップでゴールインを決める
<寸評>
確かこのエピソードも原作で読んだ記憶がある
先日記事にした、実写「750ライダー」の時に僕は漫画が原作の作品を
実写化するのは原作のイメージがあるから難しいと書いた
更には時代考証の必要な作品はロケをするにも相当神経を使うとも書いた
「嗚呼 花の応援団」の場合は当時物作品だから時代考証は関係ない
原作漫画は基本的にギャグ漫画だという事もあるが映画「嗚呼 花の応援団」は
実質的な主役でもある新入団員の富山と北口などの容姿も原作漫画のイメージに近く
実写化作品成功のポイントともいえるキャスティングにおいて、まず成功していると感じる
ストーリー的にもフザけてるだけじゃなく人情も絶妙に織り込んでる事もあり
750ライダーのように観るに耐えれない感じじゃなく十分楽しめた
それが証拠に「嗚呼 花の応援団」映画版は興行的にも成功し
後にシリーズ化され日活では全三作制作されている
個人的には懐かしさを感じながらも笑い、ホロっとする場面も印象的だった
近いうちに残りの2作品も観てみようと思います
ジャンジャン!!
嗚呼!!花の応援団 冒頭タイトルバック 1976
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